パランティア社2023年12月期通期決算要約
2023年12月期通期決算ハイライト
パランティア社は2023年12月期の通期決算を発表しました。売上高は2022年12月期比17%増の22億2,500万ドルとなりました。事業別では、政府向けが12億2,200万ドル(前期比14%増)、民間向けが10億300万ドル(同20%増)と、両セグメントともに2ケタ成長を遂げました。
営業利益は1億2,000万ドルで前期の1億6,100万ドルの赤字から黒字転換しました。純利益は2億1,700万ドルで、1株当たり利益は0.09ドルとなりました。
CEOのアレックス・カープ氏は「パランティアのソフトウェアプラットフォームは、お客様の継続的な支持を得て急速に成長した。当社のミッションに沿った成果を上げることができた」とコメントしました。
最先端テクノロジーと新製品を投入
2023年にはAIプラットフォーム(AIP)の提供を開始し、大手顧客の業務にAI技術の適用を進めました。AIとデータ分析を融合したソリューションで差別化を図ります。
またGotham、Foundry、Apollo等の主力製品も新機能を追加し、幅広い業界に展開しました。特にクラウド環境での利用が拡大しています。製品力の強化で顧客基盤の拡大を目指します。
積極的な外部成長戦略で事業を拡大
パランティアは戦略的パートナーシップの強化に注力しました。日本のFujitsu Limited、韓国のHD Hyundai Co. Ltd.と合弁会社を設立し、各国市場での事業拡大を図ります。
地理的には米国、英国で2ケタ成長が続く一方、新興国市場の開拓も進めています。日本、韓国を足がかりにアジア・太平洋地域での存在感を高めていく考えです。
財務状況は損益改善が進展
売上総利益率は81%で、営業費用の効率化により前期から2ポイント改善しました。営業キャッシュフローは7億1,200万ドルのプラスで、2期連続の黒字です。
配当は実施しませんでしたが、自社株買いを10億ドル規模で実施することを発表しました。長期的な企業価値向上に向けた施策と位置付けています。
一方で法的リスクや競争激化など経営リスクは存在します。流動性の確保、コンプライアンスの徹底などリスク管理は継続的な課題といえるでしょう。
総括
パランティアは2023年12月期、主要事業の好調さを背景に大幅増収増益となりました。先進テクノロジーの積極投入や戦略的提携で事業領域の拡張を進め、高い成長性を示しました。
利益率の改善やキャッシュフロー創出力の向上など、収益性も着実に高まっています。AIをはじめとするイノベーションで競争優位性を発揮し、企業価値向上を目指す方針です。
リスク要因には留意が必要ですが、技術力と事業基盤の強みを活かした成長戦略は今後も注目に値するでしょう。政府・民間の両面で安定した業績拡大が続くことが期待されます。