財務情報 フカヨミ
NVIDIAのForm 10-Kの財務諸表を分析。
- 主要な財務諸表項目の分析:
貸借対照表
- 総資産は前年比で597億4600万ドル増加し、657億2800万ドルとなりました。
- 現金及び現金同等物は72億8000万ドル、マーケタブル証券は187億400万ドルと、潤沢な手元資金を保有しています。
- 自己資本は429億7800万ドルで、前年比208億7700万ドル増加しました。
損益計算書
- 売上高は前年比126%増の609億2200万ドル、営業利益は前年比681%増の329億7200万ドルと大幅な増収増益となりました。
- 当期純利益は前年比581%増の297億6000万ドルでした。
キャッシュフロー計算書
- 営業活動によるキャッシュフローは280億9000万ドルの収入超過で、前年から224億4900万ドル改善しました。
- 投資活動によるキャッシュフローは105億6600万ドルのマイナスでしたが、主にマーケタブル証券の購入によるものです。
- 財務活動によるキャッシュフローは136億3300万ドルのマイナスで、自社株買いや配当金の支払いが主な要因です。
- 主要財務指標の分析:
流動比率(流動資産÷流動負債)
2024年1月28日:4.17倍(443億4500万ドル÷106億3100万ドル)
→1を大きく上回っており、短期的な支払い能力は極めて高い。
自己資本比率(自己資本÷総資産)
2024年1月28日:65.4%(429億7800万ドル÷657億2800万ドル)
→自己資本が総資産の65%以上を占めており、財務の安全性が高い。
ROE(当期純利益÷自己資本)
2024年1月28日:69.2%(297億6000万ドル÷429億7800万ドル)
→自己資本に対する利益率が69%と非常に高く、投下資本の効率性が高い。
- 財務状況の変化の分析:
過去3年間のNVIDIAの財務諸表を見ると、2024年は売上高、営業利益、当期純利益ともに大幅に増加しました。特に、データセンター向けのCompute & Networkingセグメントの高成長が業績を牽引しています。
一方、2023年は前年比で売上高が横ばい、営業利益と当期純利益が大きく減少するなど、業績が停滞していました。Arm社の買収中止に伴う13億5300万ドルの特別損失の計上なども業績の下押し要因となりました。
2022年は、売上高は前年比53%増と順調に拡大し、営業利益、当期純利益ともに過去最高を更新するなど、力強い業績となりました。
全体として、NVIDIAはここ数年で飛躍的な成長を遂げており、特に2024年は記録的な増収増益を達成しました。AIの需要拡大を追い風に、同社の業績拡大は今後も続くものと予想されます。潤沢な手元資金と高い収益性、優れた投下資本効率を武器に、引き続き積極的な研究開発投資や設備投資を行っていくことが期待されます。
同社の財務体質は極めて健全で、短期的な支払能力、財務の安全性、収益性のいずれを取っても申し分ない水準にあります。今後もデータセンター需要の拡大とともに高い成長を続け、さらなる企業価値の向上を実現していくものと考えられます。