Oracle form 10-Q 2023年 12-24 2M 要約

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オラクル 2024年度第3四半期決算レポート

本記事では、オラクル株式会社が2024年3月12日に発表した2024年度第3四半期(2023年12月1日〜2024年2月29日)の決算内容を要約します。

業績ハイライト:
オラクルの第3四半期売上高は前年同期比7%増の132.8億ドル、営業利益は同15%増の37.5億ドル、純利益は同27%増の24.0億ドルとなり、全ての主要指標で二桁成長を達成しました。クラウドサービスおよびライセンスサポートの売上高が同12%増の99.6億ドルと大きく伸長し、全体の成長を牽引しました。CEOのサフラ・キャッツ氏は「クラウドビジネスへの移行が順調に進み、大規模顧客の獲得も相次いでいる。通期計画の達成に自信を深めている。」と述べています。

技術トレンドと自社製品:
オラクルは第2世代クラウドインフラ(OCI)の拡充を進めており、機械学習やブロックチェーン、IoTなどの最先端技術を統合したマネージド・サービスの提供を強化しています。自律運転データベースの「Oracle Autonomous Database」は機械学習により高度に自動化され、運用負荷を大幅に軽減できるのが特長です。また、ERPクラウド「Oracle Fusion Cloud ERP」は、企業の基幹業務をクラウドで包括的に支援し、グローバルな導入実績を伸ばしています。

成長戦略:
オラクルは電子カルテ大手のCerner社を283億ドルで買収し、医療分野への本格参入を果たしました。医療機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、クラウドサービスを軸に成長を加速する方針です。地域別では、米州が売上高の62%を占める最重要市場ですが、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域(売上高構成比25%)やアジア太平洋地域(同13%)でのクラウド需要の取り込みにも注力しています。

経営状況:
当四半期の損益計算書は、売上原価率が60.2%から59.9%に低下し、売上総利益は5,330百万ドルに増加しました。営業利益率は26.3%から28.2%に上昇し、営業利益は3,750百万ドルとなりました。四半期純利益は1,896百万ドルから2,401百万ドルへ増加し、1株当たり純利益は0.68ドルから0.85ドルに拡大しました。キャッシュフローも営業活動で前年同期比9%増の12,592百万ドルを創出し、投資活動によるキャッシュ流出が大幅に減少したことでフリーキャッシュフローが68%増の12,258百万ドルへ改善しました。自己株式取得や増配により、株主還元を着実に強化しています。

総括:
オラクルの2024年度第3四半期決算は、クラウドビジネスの勢いが加速し、増収増益を達成する好業績となりました。同社はCerner買収による医療分野への進出や、最先端クラウド技術の強化などを成長戦略の柱に据え、グローバルでの事業拡大を推進しています。財務状況も収益性と効率性が改善し、キャッシュ創出力が一段と高まりました。第4四半期以降も、クラウドビジネスの需要拡大が続くと見込まれ、オラクルの強気の業績予想達成が期待されます。ただし、事業環境には不透明感も残ります。サステナブルな成長の実現に向け、オラクルの取り組みの行方を注視していく必要があるでしょう。

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